アルバム"When the Pawn..."に収録されています。 |
『Paper bag』ーーある時ふと気が付いたの、わたしの歌はどれも「あなたがこうした、あなたがああした」って詰め寄ってる、と。1対1で対峙する設定ばかりなのよ。で、確かボブ・ディランの歌をラジオで聴きながら、「なんでわたしには物語調の歌が作れないのかしら? 例えば“ある日わたしは**をして、それから**して…”って具合に書けたらいいのに」なんて思ったわけ。まあ、それが成功したかどうか分からないけれど、少なくとも今回は“わたしは**をしていたの”って始まる歌が書けたから満足。そして同時に(以下、終始くすくす笑いながら)、これは実際に起こったことなのよ。その日は本当にサイテーな日で、わたしは父親に会いに行くことにしたの。そしてパパと一緒に車に乗っていて、とにかくみじめな気分で黙りこくってた。すると、ふと空を見上げると何かが飛んでるのが見えたの。わたしは鳩だと思った。全て解決するっていうしるしだわ、と思った。それからその物体は降下し始めて、よく見るとただの紙袋だったのよ。なんだかとってもおかしかったわ。神様のユーモアのセンスを見せつけられた気がして。…「hunger hurts but starving works」というフレーズの意味? (急に真剣な口調になって)恋をして人を愛することが出来る人間、温かい人間、人同士の結びつきを育める人間になるのは、本当に難しいことなのよ。でも一旦それを成し遂げると今度は逆に、その状態を保つってことがいかに大変なことか気付くわけ。こんなに大変なら、以前のわたしーーつまり「渇望している」わたしーーでいるほうがずっと楽だわ、と思ってしまうの。自分をわざわざわ変えなくちゃならないくらいなら、「いい人」になるために努力しなくちゃならないくらいなら、飢えるほうがましってこと。
このインタビューを読んだ後、改めて歌詞を読んでみました。紙袋のエピソードは分かりましたが、確かに"hunger hurts but starving works"のところはよくわからなかったです。でも、このインタビューを読んで何となくですがニュアンスは伝わりました。写真にリンクを貼っておいたので興味がわいたらぜひ読んでみてくださいね。